湾田3丁目の人々

れいな「さ、川原に到着したと。」
たかや「しかし、いっぱいだな〜。」
まる「そりゃそうだろ。」
唯やん「れいなちゃん。そろそろ、来るんちゃう?」
たかや「え?他に誰か来るの?」
れいな「…うん。今日で会えんようなるけん…」
まる「はは〜ん、そうか。そういうことか。」
たかや「なるほど、れいなにしては、上出来だな。」
唯やん「みんな仲良しやもん。もうしばらく会えんねやから、最後に思いでつくらなあかんやん。」
れいな「ホントはおきちんも誘ったっちゃけど…。なんか、こんって言うとった」
たかや・まる「う、うん、あいつは来ないんじゃないかな…」
まこっちゃん「お待たせ〜!どした、みんなそんなさびしそうな顔して!」
たかや「そりゃそうだろ。突然海外留学だぜ!寂しいだろ。」
唯やん「ほんまやわ!いつごろ帰ってくるん…」
まこっちゃん「わかんない。でも自分で決めた道だからがんばってくるよ!」
まる「そうだね。しっかりがんばっておいで!」
まこっちゃん「うん!ありがとう!」
れいな「まこっちゃん!あたし…」
ヒュ〜〜〜〜〜〜〜ン。ド〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!(花火が上がる!)
唯やん「た〜まや〜!きれいね〜!」
まる「やっぱりいいもんだな。」
れいな「わたし、絶対まこっちゃんのこと忘れんと…。絶対忘れんっちゃよ!」
まこっちゃん「だ〜から、また帰ってくるって〜!おおげさだな〜。」
たかや「そうだね。またかえってくるんだから、がんばっておいでね。」
ヒュ〜〜〜ン、ド〜〜〜ン、パラパラパラ…
たかや「でも、おいらも今日のこの花火。絶対忘れないよ。」
たかや、そう言いながら、後ろ手で、れいなの手を握る。
れいな「(びっくりした顔をするが、たかやの目を見て)…うん、絶対忘れんと…」
れいな、たかやの手を握り返す…
まこっちゃん「ふ〜ん…見えちゃってるんですけど…」
まる「へ?」
唯やん「え?何が見えたん?」
たかや・れいな「い、いやいや、きれいな花火のことだよ!」
まこっちゃん「そうだね〜。恋の花火かもね〜…」
ひと夏の思い出…