湾田3丁目の人々

まる・唯やん「おじゃましまーす!」
たかや「お、来た来た。じゃ、勉強でもしますか。」
れいな「じゃ、れいなはPSoneでも…」
たかや「こら!お前は宿題!」
れいな「わかっとうと!もう、うるさいちゃね!」
唯やん「あれ?れいなちゃんおったん?ひょっとして、お泊り?すすんでるな〜」
れいな「唯やん!?そ、そ、そんなことな…」
たかや「ばれちゃったか…」
バシッ!
たかや「いてっ!」
れいな「なんようと!ばっかやない!?」
まる「れいなちゃん、わかってるから…」
唯やん「も〜、うちやばいねんから、はよやろ!な!?」
たかや「そだね。英語だったら何でも聞いてよ。」
まる「英語はできるもんな〜。たかやは。数学やったら俺に聞いてよ。」
たかや「さてと、おいらは世界史やるか…出遅れてるし。」
れいな「あ、れいなも世界史あると。ルネッサンスのあたりがわからんと。」
たかや「あ〜、少し遅れてるんだ、おいら。先やってて。」
まる「お前さんは今どの変なん?」
たかや「え〜と、メソポタミア文明。」
まる「お前まだ紀元前やないか!4000年くらいの差があるぞ!」
たかや「だから急いでるねん。参考書と…」
まる「でかっ!で、文字小っちゃ!絶対間に合うか!」
たかや「そうかな…」
1時間経過…
れいな「あ〜、もう無理っちゃ!のど渇いたけん、ジュース入れてくると!たかや、ついてきて!」
たかや「はいはい、じゃ、全員分入れてくるよ。」
唯やん「ありがとうね〜!」
れいな、たかや階段を下りる
唯やん「なぁなぁ、まる君。ここわからへんねんけど教えて〜や〜!」
まる「あ〜、どこ。あ〜ここね。」
唯やん「そうやねん。ここやねんけどな…」
唯やん前かがみになる。
まる「(顔を赤らめ)あ、え、え、と、こ、ここは、x=…」
唯やん「え、見えづらいわ。そっちいくわ。」
唯やん、まるの隣に座る。
まる「あ、だから、その、yの値が…」
唯やん、まるの手を握る
唯やん「え〜。わからへん。何でそんなんなんの〜ん?」
まる「あ、あの、だから…xが自然数のときは…」
唯やん、握った手を引き寄せるかのように、ノートに身をよりだす。手が胸に当たっている。
まる「あ、あ、あ、あ、あ、あの!」
唯やん「どしたん?そんなにあせって?」
まる「手が、その、あの、当たってるんですけど…」
唯やん「クスッ。いやらし〜、まる君。そんなん考えとった〜ん。怖いわ〜。」
まる「い、いや、その、ごめん。」
唯やん「なぁ、まる君?」
まる「は、はい?」
唯やん「ダメかな?」
まるの心の中「へ?これってなに?何がダメなの?誘われてる?まさかな。でもこれってそういうことよな…」
まる「ゆ、唯ちゃん。」
たかや・れいな「おまたせ〜!」
たかや「あ、ごめん。」
れいな「あ、お邪魔むしやね。たかや、下いこ。」
まる「お〜いおいおいおい!ダメダメ!」
唯やん「あ、ありがと〜!のどかわいとってん!」
まるにとっての学習会は、心にもやの残るものとなったのでした。